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呼吸操練

 一つは「吸酸除炭(酸素を吸入し、二酸化炭素を排出する)の作用を行うこと」であり、もう一つは、生命を生かすのに必要な「活力なるものを充実させること」である。後者は、この宇宙にあまねく存在しているエネルギーを吸収する、という働きであり、肉体の活発化だけでなく、精神方面にまで力を供給していく効果がある。

 呼吸操練とは、この二つの意義を踏まえたものであり、その効能は次の通りである。

      *血液の循環がよくなり、血圧を正常にする。

      *血液が清浄になり、新陳代謝がよくなる。

      *神経系統の生活機能が活発になる。

      *内蔵の働きがよくなる。

      *呼吸器官が強化される。

      *肺呼吸・組織呼吸が活発化される。

      *消化呼吸・排泄を促進する。

      *精神生命までも充実する。

      *したがって全生命に活力が充満する。



クンバハカ:肩の力をヌキ、おろす。下腹部に気をこめる。

 肛門をしめて上に吸い上げる(巻き上げる)。

1.かかとあげ

 自立神経を鍛え、強化する。

  1. かかとをつけてクンバハカ体勢。
  2. 口から息をどんどん吸いながら、背伸びをする。かかとが上がり、伸び切ったところでしっかりとクンバハカ体勢(5秒間停止)
  3. ゆっくりかかとを下ろしながら、鼻から息を吐く。
  4. 息をすべて吐き切り体勢(1)になる。*クンバハカし、もう一度1)~4)を繰り返す。
  5. クンバハカをしながら跳んで、足を肩幅に開く。
  • これ以降の呼吸法もすべて息は口から吸い、鼻から吐くことを原則としている。
2.指はじき 

 神経の働きが活発、俊敏になる。

  1. クンバハカし、腕を前に上げながら口から息を吸う。
  2. 小指に親指を引っかけながら腕を肩に引き寄せる。息をいっぱい吸い込んだところでクンバハカ体勢。「1、2、3、4、5」と心の中で掛け声をかけると同時に、小指から順に指をピンピンとはじく。
  3. クンバハカし、両腕をさっと上に上げて、
  4. 勢いよく体の前から下へ下ろし、クンバハカ体勢をとる。
3.息吹き 

 肺呼吸と組織呼吸が旺盛になる。

  1. クンバハカ体勢を取り、そのまま口から息を大きくゆっくりと吸う。肺いっぱいに吸い終えたら息を止め、クンバハカ。
  2. 息を吐きながら、体全体にバイブレーションを与える。
  3. 息を吐き終えて、クンバハカ体勢。
4.胸たたき 

 肺気胞を刺激し、肺の機能を促進する。

  1. クンバハカし、息を吸いながら両手を体に沿わせて上にあげる。
  2. 両手の手のひらを胸のところまであげる。息はまだ吸い続けている。指を立てて、肋骨の骨の間をこするようにし、息と手を止める。
  3. 胸とバタバタとたたく。六回程度。たたき終えたらクンバハカする。
  4. 両手をサッと上に上げ、
  5. 上げた腕を横からサッと下ろすと同時に一気に息を吐き出し、クンバハカ体勢を取る。
5.背さすり

 肋骨と肋骨筋を強化する。

  1.   1)クンバハカ体勢をし、背骨に親指を当て、他の指は肋骨筋をなで上げる。
  2. 腕を脇のほうへ上げながら、息を吸いつつ背伸びする。
  3. 両手を脇の下から前へ出して両手を合わせる。合わせた手の指先を自分の胸のほうに向ける。
  4. かかとを下ろしてクンバハカ。再びかかとを上げて、ゆっくり息を吐き出しながら、両手を合わせたまましだいに下に下ろす。
  5. もとの体勢に戻り、クンバハカ体勢をとる。
6.腕開き

 胸胞を拡張し、呼吸機能を強くする。

  1. クンバハカし、息を吸いながら、腕を前からまっすぐ肩の高さに上げる。
  2. 軽く拳を握り、肩を後ろに引き、肩甲骨をつけ、クンバハカ。
  3. 肩を後ろに引いたまま「1、2」の掛け声で腕を左右に開く。
  4. 腕を前に戻してクンバハカ。両手の指をバッと開く。
  5. 息を吐き出しながら両腕を静かに下げ、クンバハカ体勢をとる。
7.膝まげ

 血液循環がよくなり、心身が活性化する

  1. クンバハカし、両手にステッキを持つ要領で、背骨を立てたまま下にしゃがんでいく。このとき息を吸う。
  2. 同時に、足の間隔を徐々に狭め、膝を曲げて腰を落とす。十分に腰を落としたところでクンバハカ体勢を取る。
  3. 息を吐き出しながらもとの体勢に戻り、クンバハカ体勢を取る。
8.清め

 肺の中をきれいにする

  1. クンバハカし、息を十分に吸う。またクンバハカ体勢を取る。
  2. 「ヒュー、ヒュー、ヒュー」と口笛を吹く要領で息を吐く。十分に吐き終わって、
  3. 「ウォー」と声を出すとともに、肺に残っている空気を全部吐き出し、クンバハカ体勢を取る。
9.気合い

 心身にカツを入れる。

  1. クンバハカの後、息を十分に吸う。クンバハカ。
  2. 「ヴェイ(VEY)」と大きく気合いをかける。クンバハカ。
  3. 残った息をゆっくり吐き切り、跳んでもとの体勢に戻り、クンバハカ。

ロ グ イ ン

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